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DATE: 2008/01/01(火)   CATEGORY: バロック
キリストの神殿奉献

シモン・ヴーエ「キリストの神殿奉献」
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新年らしく、明るい絵を一番に持ってきました。
「キリストの神殿奉献」は、誕生したキリストが清めの期間後に行われた儀式です。「初めて生まれる男子は皆、主のために聖別される」という律法に従い、マリアとヨセフは生まれたばかりの幼子をエルサレムの神殿に連れてゆきました。
そこには「救世主とまみえるまでは死なない」と聖霊から約束されたシメオンという者がおり、次のように語りました。

「主よ、今こそあなたは、お言葉どおり
このしもべを安らかに去らせてくださいます。
私はこの目であなたの救いを見たからです。
これは万民のために整えてくださった救いで、
異邦人を照らす啓示の光、
あなたの民イスラエルの誉れであります」

シメオンは彼ら親子を祝福し、そしてマリアにイエスの宿命と受難を予言するのです。

さて、このヴーエの作品は、明るい色調と動きのある構図で、見る者の目を惹きつけます。しかし鮮やかな色合いの中でも、我が子の受難を告げられたマリアには憂いの色が読み取れます。



レンブラント・ファン・レイン「キリストの神殿奉献」
ヴーエとは逆に、暗い背景の中から聖母子が浮かび上がるように描かれ、神秘的な雰囲気をかもし出しています。


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DATE: 2007/12/09(日)   CATEGORY: バロック
大天使ミカエル

ルカ・ジョルダーノ「大天使ミカエル」
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戦う美形というリクエストを頂きましたので、今回はこんな作品を選ばせていただきました。イタリア・バロックの画家ジョルダーノの「大天使ミカエル」(堕天使を地獄に突き落とす大天使ミカエル)。

タイトルの通り、堕天使を踏みつけ、剣をふるい、まさに奈落の底へ突き落とそうとしております。
大天使のトップに立つミカエルは、戦いを担当しております。よって戦争の守護天使でもあるのです。侵略軍との戦いの際には、ミカエルの旗が掲げられていました。

この絵は、神に叛逆してクーデターを起こした堕天使、すなわち悪魔に転じたサタンとの戦いのシーンです。
実にわかりやすい構図とテーマになっておりますね。
手にした剣は、天の武器庫の収蔵品。どんなものでも一刀両断できる黄金の剣です。

フランスの世界遺産モン・サン・ミシェルも、ミカエルが修道士の夢に現れたことがきっかけでできたものですし、なかなかに人気の根強い大天使様であります。

ナンバーツーは、聖母に受胎告知を行ったガブリエル。こちらも美術品には多数出現しています。というか、受胎告知を探せばまず見つかりますからね。

元は同じ神から派生したイスラム教でも、ミカエルは登場しています。
ミカールと呼ばれる天使は、しかしムハンマドに啓示を与えたジブリール(ガブリエル)と立場が逆転して、ナンバーツーとして扱われています。


戦うミカエルをもう一点。


ラファエロ・サンツィオ「大天使ミカエルと竜」

とかく竜を悪の権化とする西洋文化らしい作品です。東洋文化とは根っこの部分から違うのだと感じるのは、こういう時。
しかし異形の生物が実に漫画チックですね・・・(笑)
ボッスやグリューネヴァルトあたりに竜を描かせたら、こんなことにはならないのでしょうけど。


せっかくなので、戦うイケメンvsドラゴンをもう一点。

ラファエロ・サンツィオ「聖ゲオルギウスと竜」

同じくラファエロの作品です。
相変わらず竜が弱そう・・・。

昔、リビアの町で、人食い竜が住みついたために若者が次々に捧げられ、最後に残った王女が供されようとした時、ふらりと現れた謎の騎士ゲオルギウスが悪竜成敗、見事王女を救ったという伝説を元に描かれています。
そんなわけでゲオルギウスは武運の守護聖人とされているのですが・・・もっと早くに出て行ってやれよ、ゲオルギウス。とつい突っ込みたくなります。最後の一人になった時に行ってもなあ。ていうか、平民まるっきり無視かよ、と言わずにはいられません。(苦笑)

なお、ゲオルギウスはイングランドの守護聖人となったため、イギリスの最高勲章は聖ジョージ(ゲオルギウスの英語読み)勲章とされています。

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DATE: 2007/11/11(日)   CATEGORY: バロック
悲しみの聖母

カルロ・ドルチ「悲しみの聖母」
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国立西洋美術館所蔵のこの作品。
常設展を観る時は、いつもこの絵の前で立ち止まってしまいます。
日本で普段から観られる作品なので、ご覧になったことのある方も結構おられるのではないかと思います。

暗闇に浮かび上がる、聖母の青衣が見る者の目を惹きつけます。
この深みのある鮮やかな青は、ラピスラズリによるものです。
「悲しみの聖母」とは、わが子イエスの運命を思って悲嘆に暮れる聖母の図。
その深い悲しみが画布を通して伝わってきます。

この両手を合わせた聖母の構図は、ティツィアーノの影響を受けていると見られています。モデルは妻テレーザ・ブケレッリであるという説が有力。


ティツィアーノ・ヴェチェリオ「悲しみの聖母」


ホセ・デ・リベラ「悲しみの聖母」

こちらもよく似た構図の作品。


なお製作年は、
1555年 ティツィアーノ
1638年 リベラ
1655年 ドルチ
となっております。

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DATE: 2007/06/22(金)   CATEGORY: バロック
ベアトリーチェ・チェンチの肖像

グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
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今回は美人の描かれた絵というリクエストを頂いておりまして・・・大変に悩みました。選択肢が多すぎて。
いろいろ探している内に、以前に「美の巨人たち」で「絵画史上もっとも美しい女性の肖像画」という視聴者投票が行われたそうで、その結果の記事を見ました。西洋画では以下の通りです。

絵画史上もっとも美しい女性の肖像画

1 フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
2 レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナリザ」
3 グイド・レーニ「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」
4 ラファエロ「小椅子の聖母」
5 ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」
6 アングル「泉」
7 ミレイ「オフィーリア」
8 モネ「日傘をさす女」
9 ラファエロ「ラ・ヴェラータ」
10 カンタン・ド・ラトゥール「ポンパドゥール侯爵夫人」

というわけで、今回は第3位のレーニを取り上げてみることにしました。(1、2はあまりに有名すぎて;)


ベアトリーチェ・チェンチは16世紀、ローマの名家に生まれた貴族の少女。その美しさゆえに横暴な父は娘を城内に監禁し、さらには陵辱したのでした。ベアトリーチェは彼女に同情した家族や家来の協力のもと、父親殺しを決行。しかし罪は暴かれ、激しい拷問の末、極刑に処されることになりました。
家長殺しは極刑と決まっていたからだったのですが、実際には法王庁が、チェンチ家の財産を没収する狙いがあったようです。よって、チェンチ一族は全員処刑されることになりました。

この肖像画は、レーニが実際に牢内のベアトリーチェを目にして描かれたそうです。
ターバンを巻いているのは、断頭台に上るため・・・。


これを見て、真っ先に思い浮かぶのはフェルメールの「真珠の耳飾の少女」です。
ベアトリーチェの肖像は、制作1662年、フェルメールは1665年頃とされています。
フェルメールは、この作品を知っていたのでしょうか。フェルメール自身が題材にも取り上げている通り、手紙が重要な情報伝達手段として使われていた時代。彼の住むデルフトにもこの事件の話は届いていたことでしょう。ベアトリーチェを哀れに思ったローマ市民により、処刑場で暴動が起こるほどだったのですから・・・。



真珠の耳飾の少女、別名「ターバンの少女」。
その異国風の装いが、長年謎とされてきた作品。
もし断頭台の露と消えたベアトリーチェを思って描かれたのなら、その理由も自ずと知れてくるのではないでしょうか。


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CGFA
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美の巨人たち
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DATE: 2007/03/17(土)   CATEGORY: バロック
聖ルチア

フランシスコ・デ・スルバラン「聖ルチア」

ルチアはシチリア島シラクサの貴族の娘。前回に紹介した聖アガタを崇敬しており、母の病が快癒するよう祈るとアガタが夢に現れ、翌朝目が覚めると母親は元気になっていました。こうして強い信仰心を持ったルチアは、財産を貧しい人々に分け与えることにしたのです。
そんな彼女も、キリスト教徒であることを密告されるとやはり拷問にかけられます。どんな拷問かというと・・・それは、目をえぐり取るというもの。
さて、おわかりでしょうか。例のスルバランのお盆に載っているのは、彼女の両目なのです。

肉まんのような乳房を載せているのもかなり異様な光景ですが、目玉もちょっとしたホラーですね。
しかし、この目玉事件には異説もあります。
ある若者がルチアに恋をしたのですが、純潔を誓う彼女は受け入れられません。しかし若者は諦めきれず、
「あなたが美しすぎるからです」
そう吐露した若者を哀れに思い、彼女は自らの目をえぐり取りました。
「これで醜くなりました。私を忘れてください」

・・・ホラーだ! ホラーすぎるよ!! 楳図かずおの世界だろう!!
と、この話を聞いた時に激しく思いました。(汗)


こちらはカラヴァッジョの「聖ルチアの埋葬」。
X線調査によると、元の絵ではルチアの首は切り離されていたそうですが、後で首をつなげられ、首筋に傷が残るだけとなりました。

かえってそのほうが痛ましさが増すと思います。というか、生首はホロフェルネスやゴリアテで充分ですよ・・・。(いや、他にも洗礼者聖ヨハネやメデューサの首もありますが;)


さて、次はスルバランのさらに上を行く、聖ルチアの作品をご紹介します。
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DATE: 2007/03/10(土)   CATEGORY: バロック
聖アガタ

フランシスコ・デ・スルバラン「聖アガタ」
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先週に予告した通り、今回も再びスルバランの聖女画です。
前回のアポロニアは自分の歯とペンチを持っていましたが・・・今回、お盆に載っているのは何だと思いますか? 肉まんではありません。何と、乳房です。

アガタはシチリアの貴族の娘。シチリア総督に愛人になれと迫られましたが、キリスト教徒であった彼女は拒んだため、拷問を受けます。それは、乳房を鋏で切り取るという空恐ろしいもの。そんなわけで、アガタのアトリビュートは乳房となるのです。

それにしても、今回もまた恐ろしい拷問をまったく思わせないような描かれ方になっておりますね。スルバランの聖女はどうもこんな調子です。(笑)


こちらはジョヴァンニ・バティスタ・ティエポロの「聖アガタの殉教」。
直截的な表現ではありませんが、乳房を切り取られた後の様子であるようです。殉教でも明るい色使いは、やはりヴェネツィア派。


セバスティアーノ・デル・ピオンボの「聖アガタの殉教」。
こちらも同じくヴェネツィア派ですが、ティエポロから1世紀遡ります。
しかしこのシーン、かなりヤヴァイですよ!(汗)

では次回も引き続き、スルバランの聖女を紹介したいと思います。


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DATE: 2007/03/04(日)   CATEGORY: バロック
聖アポロニア

フランシスコ・デ・スルバラン「聖アポロニア」
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アポロニアはアレクサンドリアで殉教した聖女。
キリスト教徒が迫害に遭う中も、アレクサンドリアに残って布教を続けていたため逮捕され、拷問を受けました。
その拷問というのが、「歯をペンチで抜く」というもの。
想像するのも恐ろしい拷問ですが・・・

しかし、スルバランのアポロニアはどうにも拷問を受けた聖女には見えません。虫歯でも抜けたんでしょうか?(笑)
聖人画というのは、たいてい拷問に関わった道具などがアトリビュートになるので、アポロニアの場合は「歯」になります。しかしその歯がこんな描かれ方では、むしろ微笑ましいですね。
なお、アポロニアは歯医者の守護聖人となっております。



こちらはフーケの「聖アポロニアの殉教」。
おおお恐ろしい! これぞまさに拷問ですね・・・痛ましい。
でもどうせ拝むなら、スルバランのようなどこかのん気な感じの絵の方が良い気がします。

スルバランの聖女は他にもありますので、また紹介したいと思います。

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