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DATE: 2013/07/08(月)   CATEGORY: 美術展レビュー
プーシキン美術館展 フランス絵画の300年

7月6日、横浜美術館で始まった「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」の内覧会に行ってきました。
実はこの展覧会、2年前の2011年4月に開催される予定だったのですが、その直前に東日本大震災が起こり、頻発する余震や原発事故の影響によりロシア側が作品の貸出を見合わせたため、急遽中止となっていたのです。私も当時楽しみにしていて、割引券も持っていたのですが、まさかこうして再び実現し、しかも内覧会にまで行けるとは思ってもみませんでした。

学芸員さんのお話によれば、2年前のあの震災は作品がロシアを出発する4日前のことだったそうです。まあ、それは神経質にもなりますよね。関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。無事開催できて良かったです。
そして、やはりその中止により楽しみにしていたファンが初日に押し寄せたのか、この日は開館時間前に200人以上の行列ができていたそうです。

ところでロシアの美術館といえば、真っ先に思い浮かべるのはエルミタージュではないでしょうか。自分もプーシキンは2年前の告知まで知らなかったクチですが(苦笑)
この名前になってからはまだ日が浅く、元はモスクワ大学附属アレクサンドル3世美術館という名前でしたが、1937年に詩人プーシキンの没後100年を記念して、この名称に改められたということです。

コレクションの担い手は、最初は王室、やがて19世紀になるとイワン・モロゾフ氏とセルゲイ・シチューキン氏という2人の大富豪の名が挙がります。両者ともロシア革命の翌1918年に財産を没収されてしまい、邸宅も美術館に姿を変えたそうです。

今回の展覧会では17~20世紀までの約300年にわたるフランス絵画の変遷を、特に人物画に注目して見ていこうとする試みです。実際、展示されているのはほとんどが人物画です。こういうのはちょっと珍しいかもしれませんね。

その中でも気に入ったものをいくつかご紹介します。


ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「聖杯の前の聖母」

第2章「19世紀前半―新古典主義、ロマン主義、自然主義」の目玉作品。
新古典主義らしい、筆の跡も残らないような滑らかな質感、陶器のような肌。そして「グランド・オダリスク」「トルコ風呂」と同様、マニエリスム的な人体の引き伸ばし技法がここにも使われています。
アレクサンドル皇太子(後の皇帝)が自ら依頼した作品で、背後にはアレクサンドルとその父ニコライ1世の守護聖人、聖アレクサンドルと聖ニコライの二人が描かれています。

<参考>

↑グランド・オダリスク

↑トルコ風呂



オーギュスト・ルノワール「ジャンヌ・サマリーの肖像」

第3章「19世紀後半―印象主義、ポスト印象主義」の目玉にして今展覧会の看板作品。
ルノワールの肖像画における最高傑作とも呼ばれているそうです。
まるで幸せの色に包まれたかのように華やかな彩られたモデルは、当時20歳のコメディ=フランセーズの花形女優ジャンヌ・サマリー。しかし彼女は後に、33歳の若さで亡くなってしまったそうです。一瞬の煌めきのような、わずかな時を永遠に画布に遺して。


今回、奇しくも目玉となった二人のオーギュスト。その作品は両極端と言えるほど技法がかけ離れていますね。その変遷を、展示室を回りながら眺めていく今回の展覧会の試みはなかなか面白いと思います。



目玉ではないけれど、個人的に惹かれたのがこちら。


ルイジ・ロワール「夜明けのパリ」

解説も音声ガイドもなく、ポストカードにもなっていなかった作品ですが。有名なゴッホの「夜のカフェテラス」に比べてずいぶんひっそりした雰囲気の街が目を引きました。

<参考>

↑夜のカフェテラス



モーリス・ドニ「緑の浜辺、ペロス=ギレック」

ドニの作品で目を奪われたのは今回が初めてかもしれません。
羊飼いの笛に耳を傾けている三人の女性は、幼年・若年・老年を表しているとのことですが……みんな同年代に見えるんですけど(苦笑)
ゴーギャンの「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」と仕掛けも雰囲気も何だか似た感じがしますよね。

<参考>

↑我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか


なお、ミュージアムショップではロシアということでマトリョーシカ祭りでした(笑)


Tシャツやトートバッグのマトリョーシカなんてのもあって、見ているだけでも楽しいです。



プーシキン美術館展の開催期間は以下のとおり。
横浜美術館 7/6~9/16
神戸市立美術館 9/28~12/8

ラインナップを見ても知らない画家はほぼいないというくらい、有名どころを集めた展覧会ですので、お時間のある方は是非足を運んでみてください。


※夜間特別観覧会のため、特別に許可をいただいて撮影しております。

展覧会公式サイト
他画像提供:Wikimedia Commons
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