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DATE: 2010/07/19(月)   CATEGORY: 美術展レビュー
マネとモダン・パリ展
ずいぶん遅くなってしまいましたが、「マネとモダン・パリ」展に行ってきたのでレビューを上げます。
この展覧会は、三菱一号館美術館の開館記念として開催されました。

まずはこの美術館ですが、明治期に三菱で初めて建てた洋風建築(事務所)である「三菱一号館」を復元したものです。そのため、(今から見れば)いかにもレトロな造りで、洋館などに興味のある方は建物自体にも楽しめるのではないかと思います。

しかし、だからこそ展示室内は狭くなっているため、入場時も数人ずつでないと入れないように制限されていました。もっと凄い目玉作品が来たりしたらどうなるんだろうか……(汗)
なお、復元するのは良いとしても、床だけは収音効果を考えてほしかったです。これだけは難点。鑑賞中に、靴音がカツカツとかなり耳障りなので……。別にそこまでこだわらなくても良いような気もします。暖炉だって火が入るわけじゃないんだし。

さて、それはともかく展覧会です。
マネの系譜を追いながらなので、初めの方にスペイン風絵画が置かれていました。(一時期、マネはスペイン絵画の影響を受けていた)



「ローラ・ド・ヴァランス」

詩人ボードレールによれば、「暗いところもあれば陽気なところもある美女」というローラ・ド・ヴァランス。暗い背景から浮かび上がる、鮮やかな人物像に目を惹かれます。彼女のどこか物憂げな表情も、ボードレールの言葉を思い起こさせます。
なお、この作品が展示された時はまた物議を醸したそうです。(いつものことですね、マネ……)
荒いタッチに激しい色使いは、まだ当時のフランスでは受け入れられなかった模様。いつも時代の先端を行くのがマネ。



「死せる闘牛士」

こちらも言わずもがな、スペイン趣味による作品。有名な作品ではありますが、本当はこれが「一部」だったとは初めて知りました。
実はもともとこの作品、上部に闘牛のシーンが描かれていたのですが、遠近法がおかしいと指摘され、何とキャンバスを二つに切ってしまったのです。その下部がこれ。……確かに、妙に長細いですよね。
でもこれだけでも充分に伝わってくる作品だと思います。


「エミール・ゾラ」

マネの肖像画の中でも有名な作品の一つ。日本趣味を示す作品としてもよく知られています。
画面奥には浮世絵に屏風。そして、かの大スキャンダルとなった自作「オランピア」まで掲げてあるのが心憎い。(笑)
なおゾラとの友情は長く続き、マネの死後、ゾラは回顧展の実行に参加しています。



「すみれの花をつけたベルト・モリゾ」

モリゾの肖像画の中でも一番好きな作品がこれ。前にも来日していたと思いますが、その時には行けなかったので、初対面となりました。
(有名なので今さら感はありますが一応書きますと)モリゾはマネの弟ウジェーヌ・マネの妻。そして(当時としては)数少ない女性画家であります。マネのモデルを多く務めており、恋仲も噂されたみたいですが……実際にはどうでしょうね。(笑)

さて、この作品では真っ黒な衣装に身を包んでいるモリゾですが、それがいっそう光を際立たせています。黒なのに光を感じさせる手腕は見事としか言えません。
マネの作品では黒が多く使われていますが、その効用を最もよく知っていた画家なのだと思います。



「フォリー・ベルジェールのバーの習作」

習作は来ていても本物は来ていない……
って、まあ本物を呼ぶとなれば大変なことになると思いますが(苦笑)

この作品について書く前に、まず「フォリー・ベルジェールのバー」を。



フォリー・ベルジェールはパリ屈指のミュージック・ホール。その中のバーで働く女性を描いた作品がこちらです。とはいえ、当時のマネは死を間近にしており、足は壊疽により歩行も困難な状態でした。そのため、バーには素描のために通ったものの、後にアトリエにバーを再現して絵を描いたのでした。そのお膳立てをしたのが、画家仲間の友人たち……泣ける話じゃないですか。
そして、これまで悪評ばかりだったマネが最後に描いたこの作品は、サロンで大絶賛されます。その一年後、マネはこの世を去るのでした……

なお、この「習作」ですが、本物が完成するまでのエピソードと照らし合わせるとなかなか興味深いです。完成品の方をご覧ください。女性の背後は鏡になっていますが、なぜか女性の鏡像は、向かって斜め右にずれています。初め、自分は「鏡が半円筒形に湾曲しているのか?」と思っていました。(汗)
実はこれ、アトリエで描いているマネが、モデルを別の位置から見た時の視点を組み込んだものなのだそう。習作とは鏡像の位置がずれていることから、よくわかります。複数の視点が同時に内在するため、とても不思議な印象を受けます。



展覧会は、もちろん他にもいい作品は来ておりましたが、ひとまずブログではこのくらいにとどめておきます。
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