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DATE: 2009/07/27(月)   CATEGORY: 美術展レビュー
フランス絵画の19世紀(2)
引き続き、「フランス絵画の19世紀」レビューです。
前の記事はこちら



レオン・コニエ「死せる娘を描くティントレット」

ティントレットはルネサンス期、ヴェネツィア派の巨匠。本名はヤーコポ・ロブスティですが、家が染物屋だったため、ティントレット(染物屋の息子)と呼ばれるようになったそうです。

さて、ここに描かれているのはそのかつての巨匠の深い悲しみの様子。
自分の弟子でもあった娘マリアを若くして亡くしてしまった巨匠。彼はその亡骸を前に、絵筆を取っています。最期の姿をこの世にとどめるために……

光と闇の表現は、バロック期の手法を髣髴させます。
なお、ティントレットの顔は、ルーヴル美術館所蔵の自画像を元に描いたとのこと。そんなわけで、画像を探してきました。


うん、確かに似てる……ていうかそのものだね。(汗)
なお、この自画像は娘が亡くなる1年前に描かれたものです。




アンリ・レーマン「預言者エレミヤ」

こちらは旧約聖書「エレミヤ書」より。
預言者エレミヤは「災いが来る」と告げますが、それによって牢に繋がれてしまいます。彼の言葉は書記バルクが口述筆記していたということから、左側には青年姿のバルクが描かれています。
エレミヤの背後の天使はエルサレムの方角を指差し、この都を破壊すると威嚇しているのだそうです。そのためか、表情も大変険しいです。

しかし何より目を引くのがエレミヤの姿。苦渋にまみれながらも、その瞳には強い意志がうかがえます。
ところで図録の解説には「手を支えにして痩せた体を起こしている」と書かれているのですが……かなり筋肉むきむきで、とても痩せ衰えているようには見えないのですが……?(汗)


ウィリアム=アドルフ・ブグロー「フローラとゼフュロス」

眠ってしまった花の女神フローラの元に、静かに降り立った西風の神ゼフュロスが甘い口づけを落とそうとする――

主題のままに、柔らかなタッチで描き出されるこの作品。
二人のみずみずしい肢体を強調するために、あえて体をひねったポーズを取らせています。

春の訪れを告げる西風は軽やかに、春に咲き誇る花は匂い立つほど鮮やかに。「春」そのものをキャンバスに収めた一枚に仕上がっています。




レオン=フランソワ・コメール「羊飼いへのお告げ」

ルカの福音書より、羊飼いたちへ天使がキリスト誕生を告げる場面です。

上空に光り輝く聖なる者(天使やキリストなど)を配し、地上から恐れおののく人々が見上げるという構図は古くから何度も使われています。

少し照明を落とした展示室でも、この作品内の天使は本当に輝いているように見えました。




ジャン=ウジューヌ・ビュラン「無垢な結婚」

がらりと変わって、今度は風俗画(と呼ぶべきもの)。
描かれているのは歴史上の人物ではなく、名もなき若い二人の男女。
まだ少年少女と呼ぶべき年頃ではないでしょうか。

彼らは野の花を摘み、自らを飾って結婚式ごっこをしているようです。
微笑ましくて、つい観ている者の表情もゆるんでしまいます。

のどかな田園風景の描写も素晴らしく、しばらくぼうっと眺めていたい作品です。




リュック=オリヴィエ・メルソン「エジプト逃避途上の休息」

最後にご紹介するのがこの作品。
「エジプト逃避」という題材が来たら、描かれているのは聖ヨセフ、聖母マリア、幼子イエスの聖家族でまず間違いありません。
これは、ユダヤ王ヘロデが国の嬰児を皆殺しにするというので、乳飲み子のイエスを連れてエジプトに逃げようとしているところなのです。

となると、消えかけた焚き火の傍らで眠るのが聖ヨセフ。スフィンクスの腕の中に眠る母子がマリアとイエスということになります。
イエスは赤ん坊にしてすでに発光しています。むしろ焚き火よりも。

エジプトということでスフィンクスが出てきたのでしょうが、何だかとても不思議な感じがしますね。聖母子とスフィンクスって……初めて見ました。(苦笑)

闇に吸い込まれる地平線に、荒れた砂地という簡素な背景も相まって、不思議な雰囲気をかもし出す作品に仕上がっています。



他にも載せたい作品は多々あるのですが、きりがないのでこの辺で。
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COMMENT

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● 初めて見ました
たまや | URL | 2009/07/28(火) 13:03 [EDIT]
ちまきさんお疲れさまですv
今回私に取っては知らない絵と作者ばかりでとても楽しませていただきました。
アリ・シェフェール「糸巻のマルガレーテ」がすごいですね。
不安な様子、でも敬虔な信仰によってぎりぎりで理性が保たれている様子が伝わってくる傑作だと思いました。
レオポルド・ロベールの作品は本当に歴史画みたい。こういう人たちをモチーフにするのであれば、私なら怖がってもう少し視点をひくんじゃないかなって思います^^真っ向勝負してるところが迫力が出ているゆえんでしょうね~

「死せる娘を描くティントレット」も興味深いですね!人によって悲しみを表現してるのか妄執を表現しているのか、感じるところが違いそうです。私は後者ですが…(たぶん色と娘のポーズのせいです)

「エジプト逃避途上の休息」
海の中の様子みたいでおもしろいです。静けが伝わってきて、あえて聖母子の水平場の空間にはこの母子以外置かない!というあえて横長のいさぎよさがいいですね~(ヨセフおまけすぎる・・・)この上に文字を置くならスフィンクスの後ろかロバの足下くらいしかないです。

すみません、つらつらと絵の感想を書かせていただきましたが、西洋画がさっぱりなのでほんといつも勉強になります。

管理人 | URL | 2009/07/28(火) 23:14 [EDIT]
いつもお読みいただき、ありがとうございます♪
今回、私も知らない作品ばかりでとても勉強になりました。
画像検索してみたのですが、ほとんどが海外サイトでも載っていなかったりして、実は結構マイナー作品が多かったのかな……と思います;;

公式サイトの充実ぶりは凄いですよ。
ここで紹介できなかった作品も詳細に解説されているので、是非見てみてください。
(URLに入れておきました)
アカデミズム検定なんてのもあります。

ティントレットは赤く浮かび上がるせいで、何やら鬼気迫るような感じがありますね(汗)

エジプト逃避、確かに聖母子が地平線よりちょっと上に置かれていますね。これで高貴なる存在であることを示しているのでしょうか。
それにしてもヨセフおまけ……(涙)

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