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プロセルピナ


ダンテ・ガブリエル・ロセッティ「プロセルピナ」

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どこか物憂げに、不安な表情を浮かべながら、キャンバスの中から鑑賞者を振り返るプロセルピナ。その手にした赤い果実は、柘榴。
ギリシア・ローマ神話をモチーフにした、ラファエル前派ロセッティの代表作の一枚です。

冥界の王プルート(ギリシア神話のハデス)は、美しき娘プロセルピナに目をつけ、地底へ連れ去ってしまいました。プロセルピナは、ギリシア神話では「ペルセポネ」と呼ばれています。
彼女の母(豊穣の神、ローマではケレス。ギリシアではデメテル)は嘆き悲しみ、手を尽くしてようやく探し出しましたが、彼女を連れ戻すことはできませんでした。というのも、彼女がすでに冥界の食べ物を口にしていたため、地上に戻ることができなかったのです。
キャンバスに描かれた柘榴は、彼女が食したという説に基づいています。言ってみれば、禁断の果実。

なお、口にしたのが柘榴の半分だったことから、彼女は1年の半分を冥界で、残りの半分を地上で暮らすことになりました。
娘と離れている間は、母である豊穣の女神が実りをもたらさなくなったため、地上に「季節」が生まれたと言われています。(春夏はプロセルピナが地上にいる期間、秋冬は冥界にいる期間)


ちなみに、 このプロセルピナの伝説は、ロセッティの私生活を暗示しているようにも見えます。
彼は、妻エリザベスと婚約中の頃から、このモデルの女性ジェーンと惹かれ合っていたと言います。しかも、そのジェーンは後に(ラファエル前派の)仲間であるウィリアム・モリスの妻となるのです。何とも見事な四角関係。
画中のジェーンが口にする禁断の果実は、何を示しているのでしょうか――

そして、ロセッティ夫妻の人生は彼女の出現により大きく変わることになり、ジェーン・モリスは「ファム・ファタール」(運命の女)と呼ばれるようになるのです。

CGFA
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