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DATE: 2008/05/18(日)   CATEGORY: 美術展レビュー
アンカー展

松本市美術館で、会期終了間際の「アンカー展」に行ってきました。
アルベール・アンカーは19世紀スイスの画家。「ハイジの国から松本へ」というコピーの通り、「ハイジ」の著者ヨハンナ・シュピーリと同時代の人物です。(ちなみに、Bunkamuraで開催されていた時のコピーは「故郷スイス村のぬくもり」でした)

日本での知名度は、まずほとんどありません。自分も、この展覧会がなければ一生知らずに終わった可能性が高いです。よく開催してくれたものだと思います。主催者に感謝したいですね。そのくらい、とても素晴らしい本格的な回顧展でした。



「少女と2匹の猫」
展示室に入ってすぐ目に付く作品。そして一気にこの画家の世界に引き込まれる作品でもあります。
動物と子供は反則でしょう!!(笑)
日本人の好感度は、この時点で一気に急上昇だと思います。
ちなみにポストカードは売り切れでした。



「おじいさんの膝で眠る孫娘」
ハイジーー!!
と、思った人はどのくらいいるでしょうか。日本人スイスに対するイメージが完全に具現化されていると思います。
と、しょうもないコメントばかり載せてどうする。(汗)



「新聞を読むおじいさん」
またもおじいさんを上げてしまいました。
この時代、老農夫たちはかなり世相に関心を持っており、新聞を読んでいたのだそうです。識字率ってどのくらいだったのでしょうね。
以前に「ロシア絵画の真髄」展を観た時には、寒さと貧しさに覆われた農村があまりにも痛々しくて辛かったのですが、今回はずいぶんと趣が違いました。
もちろん、アンカーフィルターを通しているからかもしれませんけれども。



「祖国に帰る1830年の兵士」
1830年のパリ7月革命から帰ろうとする兵士。恐らくその途上、村の子供に道を尋ねているであろう場面が描かれています。
会場でも図録でも、ギュスターヴ・クールベの「こんにちは、クールベさん」と関連がある、という説明がされていました。が、肝心のその作品がどこにも紹介されていないことが気になります。知らない人には何のことやらサッパリではないでしょうか。(汗)
というわけで、代わりにここに載せてみます。


※参照画像
ギュスターヴ・クールベ「出会い こんにちは、クールベさん」(1854年)
右側がクールベ。スポンサーとの出会いを、まるで歴史画のように大仰に描かれているため、非難を受けました。(というか、クールベはそもそも美術界に真っ向から立ち向かう性格の人間で、他にもいろいろと新たな試みをしました)
確かにアンカーの作品とも似ています。ちなみにアンカーの方は1872年作です。



「髪を編む少女」
今回の展覧会で一番心に残った作品です。解説にもありましたが、どことなくフェルメールの雰囲気を感じますね。
全体的に、編み物をする姿の絵が多かったのですが、こちらも構図としてはほぼ同じ。伏し目がちに、集中して一点を見つめる横顔というのはとても美しいと思います。


本当はもっとたくさん載せたいところなのですが、それを始めるとキリがないのでこの辺で。
とても優しい空間に包まれた、素晴らしい展覧会だったと思います。観ていて心が温かくなれました。そして子供たちが、みな賢そうな面立ちをしていたのも印象深かったです。
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COMMENT

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神尾利明(Claude Monet) | URL | 2008/05/18(日) 11:37 [EDIT]
いつ来ても楽しいブログをつくっていらっしゃいますね。僕も参考にさせてもらっています。たとえば、《こんにちはクールベさん》がでてくれば、ちゃんとその画像を添えるなど本当に親切ですね。アンカー展は東京では正月をはさんで展覧会がありましたよね。ずいぶんと昔のように感じます。アンカーはとてもいい絵を描くことは知っていましたが、これだけ体系的に彼の作品を見られてよかったです。

ちゅん吉 | URL | 2008/05/18(日) 13:06 [EDIT]
おお、行かれたんですね~
もう一回見たい展覧会ですわ・・・

この髪を編む少女のバッグで今買い物中。
ちょっともったいない??

おじいさんの絵、皆いい味でしたね。
良い年月を重ねているのでしょう。

管理人 | URL | 2008/05/19(月) 22:40 [EDIT]
>Claude Monetさん
コメントありがとうございます。
アンカーをすでにご存知でいらっしゃったとは、さすがですね。
クールベの作品は、やはり載せるべきだろうなーと思い、つい上げてしまいました。(笑)

>ちゅん吉さん
本当に、とても良い展覧会でしたね。グッズが少なかったのが地方巡業らしい気もしましたが・・・(苦笑)
バッグ、こちらにはなかったんですよ。見てみたかったなあ・・・
子供もみな愛らしかったのですが、おじいさんに妙に惹かれてしまいました(笑)
● 松本でも感動与えてくれたんですね
夏雲くん | URL | 2008/05/27(火) 01:03 [EDIT]
郡山市美術館で4回鑑賞しました。BUNKAMURAに行き損なってがっかりしていたときに、地元で開催すると知ってうわっと飛び上がってしまいました。 展示終了日のときは一枚一枚の絵に語りかけました。さようなら、松本でもみんなの生涯の友達になってくださいねと。絵にいのちと愛情を感じ別れがつらかった。日本では無名のアンカーですが一番好きな画家になりました。技量だけではとても描けないですね。あの絵は。

管理人 | URL | 2008/05/27(火) 18:53 [EDIT]
はじめまして。
地方巡回は、こういう時に嬉しいですよね。松本では最終日前日に行きましたが、多分東京よりも空いていたはずなので、落ち着いて観られました。ただその分、グッズがほとんどありませんでしたが・・・(苦笑)
作品にあふれるあの暖かさは、作者の眼差しの温かさなのだろうと思います。それだけに、亡くした子供の絵は胸が詰まりました;;

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