DATE: --/--/--(--)   CATEGORY: スポンサー広告
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
DATE: 2007/01/14(日)   CATEGORY: バロック
パリスの審判

ピーテル・パウル・ルーベンス「パリスの審判」
大きい画像はこちら

「ギリシア神話の女神」というリクエストにお答えし、選ばせていただいたのがこの非常に有名な作品。
(神話上で)トロイア戦争の発端となる、女神たちの美人コンテストです。

パリスはトロイアの王子として生まれましたが、「この子は将来、国を滅ぼす」という予言を受けたため、山に捨てられてしまいます。それでも生き延び、羊飼いとして暮らしていたパリスの元に現れた三人の女神。
左からアテナ、アフロディテ、ヘラ。それぞれの持ち物から判断できます。戦の女神であるアテナには盾(しかもメデューサの生首つき)、アフロディテの後ろにはキューピッド、ヘラの足元には孔雀が描かれています。以下、アトリビュートの説明。

・メデューサの盾
メデューサはもともと美しい少女だったのですが、アテナの怒りを買って怪物に変えられ、さらに差し向けたペルセウスによって退治されてしまうのです。そう、鏡のように磨かれた盾によって・・・。その後、ペルセウスは加護してくれたアテナにメデューサの生首を献上し、アテナはそれを盾に飾ったのでした。

・ヘラと孔雀
ゼウスがまたも浮気心を起こし、ヘラに仕えるイオに近づきます。その後、妻から隠すためにイオを牡牛に変えてしまうのですが、ヘラは直感を働かせ、その牡牛をもらい受け、百眼のアルゴスに見張らせます。しかしゼウスはヘルメスに命じ、アルゴスを退治させてしまうのです。ヘラはアルゴスの死を悼み、その百眼を孔雀の羽に飾ったのでした。


何だか本題から離れてしまいましたが、美人コンテストに話を戻しましょう。
そもそもなぜそんなコンテストが行われることになったかと言いますと、不和の女神エリスが原因だったのです。アキレウスの母テティスの披露宴に招かれなかったエリスは怒り、その場に「世界で最も美しい女へ」と黄金の林檎を投げ入れたのです。その林檎をめぐり、ついにはトロイアの王子パリスに審判が委ねられることになったのです。
三人の女神はそれぞれ、自分を選んだら「世界を統治すること」(ヘラ)、「戦の勝利と知恵」(アテナ)、「世界で最も美しい女」(アフロディテ)を贈ると告げ、パリスが選んだのはご存知、アフロディテでした。ここでヘラかアテナを選んでおけば、トロイアも滅びなかったでしょうに・・・。

怒ったヘラとアテナは反トロイア勢力に、アフロディテはトロイアにそれぞれ味方します。しかも、トロイアの末裔にして後のローマ建国の祖アイネイアスも、アフロディテの子ということになっていますからね。
こうしてパリスはスパルタ王妃にして絶世の美女ヘレネを手に入れ(というか強奪して)、それに抗議した反トロイアの大軍が押し寄せることになったのでした。
そのことを暗示するかのように、空中には復讐の女神アレクトーが描かれています。

ルーベンスによる同主題の作品。


こちらのほうがさらに説明的な描かれ方になっています。


そして勝者に黄金の林檎が・・・。


さて三人の女神といえば、思い出すのが「三美神」。
カリスまたはカリテスと呼ばれ、それぞれの名はタレイア(花のさかり)、プロシュネ(喜び)、アグライア(輝く女)といいます。美の女神アフロディテに仕え、「美」「愛」「貞節」の象徴とされます。


こちらはクラナハの作品。何やらなまめかしく描かれていますね。ちなみにクラナハは微乳が好みのようです。


こちらはラファエロの作品。どことなく憂いを含んでいるように見えます。このポーズ、実はポンペイ壁画に描かれた絵とまったく同じものなのです。


さて、ここまで二組の三女神を上げさせていただきましたが、最後に違った趣の三女神をご紹介します。


フランチェスコ・サルヴィアーティ「運命の三女神」

運命の糸を紡ぐクロト、その糸を物差しで測るラケシス、最後に糸をハサミで切るアトロポスの三人で、合わせて運命の女神モイライと呼ばれます。糸が表すのは寿命。ハサミで断ち切られた者は死を迎えるのです。
彼女たちはゼウスと掟の女神テミスとの間に生まれたのですが・・・なぜか老婆として描かれる三姉妹。これでも女神なんですけどね。性質的に死神的な意味を持っているせいでしょうか。

なお、この絵はオンライン上で見つからず、スキャナで取り込んだのですが、何度も途中でスキャナが止まって動かなくなりました・・・。運命に抵抗してはならないという暗示なのでしょうか(汗)。糸を断ち切られないことを願うばかりです。

Web Gallery of Art
[ TB*2 | CO*2 ] page top

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する

ちゅん吉 | URL | 2007/01/14(日) 21:20 [EDIT]
トロイヤ戦争のパリスの林檎の話は面白いですよね~
最初読んだ時、パリスってなんちゅう勝手もん!!自分の好み100%で選んでる!って思いました。
でも、この絵見ると、生首つけた盾もったアテネは恐ろしすぎるし、ヘラ選んだら、ゼウスともめ事起こしそうだし・・・
やっぱり無難で美しい方を選んだんでしょうね。

クラナハの作品は構図が綺麗です。微乳もいいもんだってこれ見ると思います。

ラファエロはしっとりしてて、いいですね!顔立ちは一番おだやかな・・

運命の三姉妹!!最初っから老婆なんですか・・
たしか、三人で一つの目しかない姉妹もいましたよね?
誰かの冒険にでてきたような・・ヘラクレス??
私も三姉妹。
ちょっとどっきりします。そのうちこんな感じに??!!

スキャナー取り込みなどお疲れ様でした!
面白かったです!
またよろしくお願いします!!

管理人 | URL | 2007/01/15(月) 22:00 [EDIT]
そう、私も「何でパリスはもっと考えなかったんだ!」と思ったものでしたが、よく考えてみればこの時の彼はただの羊飼いなんですよね・・・。それなら覇者になったり戦争で勝ったりする必要はなく、美女が最も手頃だったのかもしれませんね。(苦笑)
しかし、確かに生首の盾を持った女神は怖すぎます。(笑)

一つの目と一組の歯を共有しあっている三姉妹は、グライアイです。ゴルゴンの住みかを知っていたため、ペルセウスに目を取り上げられ、白状させられたという・・・。(汗)
こうしてみると、意外と三姉妹って多いですね。ちゅん吉さんもそうだったのですか! ちなみに私は一人っ子です。

リクエストいただいて、画像を探すのもなかなか楽しかったですよ。自分一人だと、次何にしようかなーと悩んでしまいますし。どうもありがとうございました!

TRACK BACK
TB*URL
● パリスの審判なるために
化粧品&心から美しく 2007/02/08(木) 02:52
パリスの審判パリスの審判はトロイア戦争の発端とされるギリシア神話の一挿話。イリオス(トロイア)王プリアモスの息子パリス(アレクサンドロス)が、ヘラ・アプロディテ・アテナの三美神のうちで誰がもっとも美しいかを判定させられたことをいう。テティスとペレウスの結  [続きを読む]

神話の世界 2007/11/23(金) 12:34
三美神作の三美神像。エルミタージュ博物館蔵三美神とはローマ神話に登場する女神で、それぞれ愛(amor)、慎み(castitas)、美(pulchritude)を司っている。ラファエロ・サンティの作品やサンドロ・ボッティチェッリの「春」にも描かれている。.wikilis{font-size:10px;  [続きを読む]
copyright © 天球美術館 all rights reserved.powered by FC2ブログ.  template by レトロメカニカ. ページの先頭へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。