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DATE: 2006/11/04(土)   CATEGORY: バロック
ラス・メニーナス

ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」
→大きい画像はこちら (画像元:Web Gallery of Art

ラス・メニーナス、その意味は「女官たち」。
この風変わりな構図の絵の中心人物は、王女マルガリータ。宮廷画家として彼が仕えたフェリペ四世の娘です。
彼女の周囲には侍女たち。そして左側には、ベラスケス自身が描かれています。

しかし、この絵の中でベラスケスが描いているのはマルガリータではありません。もしそうなら、後姿を描くことになってしまい、不自然です。
では誰かというと・・・奥の壁にその答えがあります。掛かっているのは鏡。そこに、国王夫妻が写っているのです。描かれている国王夫妻の位置から見た光景、ということになるでしょう。(なぜ鏡であるかというと、国王が右、王妃が左に描かれているからです。公式の場では男が左、女が右なので、これは鏡像であるとわかるのです)

ところで、「女官たち」というタイトルとこの絵を見た時、「左下の女官、顔がやたら大きくないか・・・?」と思ってしまったのですが(汗)、実はこの左下の二人は道化師なのです。よく見れば、犬を足蹴にしていますね・・・こんなの女官じゃないよ。

このベラスケスの胸元には赤い十字がありますが、実はこれ、彼の死後に加えられたものなのです。彼の死を惜しんだ国王が、サンチアゴ騎士団の十字章を与えたのでした。平民出身であったベラスケスにとって、貴族に名を連ねるのは非常に栄誉なことです。が、死後ではねえ・・・。美談ではあるけれど、やはり宮廷内からの反発もあって、生前に与えることは難しかったのだろうかと、つい勘繰ってしまいます。(汗)

ところで、ベラスケスの作品で名高い肖像画が、この王女マルガリータです。しかし彼女の絵は、ウィーンに3枚もあったりします。なぜかというと、これは見合い写真の代わりだったからです。2歳、5歳、8歳頃の絵がウィーンに送られ、15歳になって花嫁自身がやってまいりました。
そんな大事な絵を任されたのですから、ベラスケスに対する評価がどれだけ高かったかわかろうというものです。(しかしマルガリータは21歳で病死してしまうのだが・・・)

そして、そんなベラスケスに心酔していたダリの作品がこちら。
「自らの栄光の中でマルガリータ王女を描くベラスケス」
画像(著作権が切れていないので、リンクのみ)

英題だと "Velazquez Painting the Infanta Marguerita with the Lights and Shadows of His Own Glory" となっているので、「自らの栄光の光と影の中で」と訳したほうがより正確だとは思いますが。事実、この絵は単なる「栄光」だけを描いたものではありませんしね。(ただし、長くなりすぎるが)

実を言えば、20世紀美術についてはかなり無知に近いので、ダリがベラスケスファンだったということすら知りませんでした、自分。
先日行った「ダリ回顧展」で初めて知ったのですが、展示作品で一番強く印象に残っているのがこの絵です。
というか、ダリ展にからめて書こうとしたら、ここまで回りくどくなってしまったんですけどね・・・。

なお、この作品で使われていると思われるのが、恐らくこちら。


「白い服の王女マルガリータ」

ベラスケスの功績とその作品をあらかじめ知っておいてから観ると、また感じ方も変わってくるのではないでしょうか。(ダリにとって、ベラスケスは祖国の史上最高の画家である<両者ともスペイン人)

なお、「ラス・メニーナス」はプラド美術館所蔵作品です。プラド展に来ないかなーと思っていたのですが、さすがにこの至宝だけは海を渡ってきませんでしたね・・・残念。


ダリ展はこちらです。

「生誕100年記念 ダリ回顧展」
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COMMENT

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● こんばんは!
ちゅん吉 | URL | 2006/11/04(土) 20:29 [EDIT]
早速素敵解説ありがとうございます!
私、この絵と最初にであったのは、なんと小学校3年。あの頃大好きだった、「少年少女世界名作全集」の表紙でした。
この全集、各国ごとに代表的名画が表紙で、解説付き。
本文の解説が川端康成だったり、力の入った全集でした。
今でも何冊か持ってますよ~~
昔は子供の本にもこんな風に力を入れてたんですね・・

楽しい解説ありがとうございました!

管理人 | URL | 2006/11/05(日) 17:32 [EDIT]
早速のコメント、ありがとうございます!
そんな素敵全集があったのですね~。羨ましい!
私は子供の頃にあまり名作全集のようなものを読んでおらず(汗)、今になってちょっと恋しかったりします。(苦笑)
(最近は子供向けシリーズに人気作家が書いていたりして、これもまたなかなかオイシイですが)
そんな風にして名画と名作に出会えるなんて、素敵な体験ですね~。(しかしスペインの名作とはどんなものが入っていたのか気になりますが・・・)
● 気になって・・
ちゅん吉 | URL | 2006/11/05(日) 20:45 [EDIT]
うちに一部あるので、子供の部屋から引っ張り出してみてみました。
あれ~~
この絵、なぜかアメリカ版の表紙でした!(いいのか?)
中身は「小公子」、「小公女」、「秘密の花園」、「ワンダーブック」。

こっちだと思っていた、スペイン版(南欧版)は表紙はラファエロの「美しい庭師の聖母」でした。中は「ピノッキオ」、「ドン・キホーテ」、「クオレ」です。
なぜアメリカ版にベラスケスが??

この本ですね、昭和39年発行、監修 川端康成、浜田廣介、中野好夫です。

すごく好きだった本で、今でもうちに5~6冊あります。
どこかでみつけたらほしいと思ってます。

もしよかったら、子供向けの解説、メッセージでおくりましょうか?

管理人 | URL | 2006/11/06(月) 23:00 [EDIT]
何と、アメリカの表紙だったのですか!? それはヨソウガイでした!
ラファエロのほうは、イタリアの話も入っている巻なので良いのですが・・・。あまり中身とは関係なく選ばれているのでしょうか?

でもアメリカ産の名画ってあまりピンと来ない気もするのですけどね・・・。(苦笑)

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