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DATE: 2014/07/06(日)   CATEGORY: 美術展レビュー
冷たい炎の画家 ヴァロットン展

先日、三菱一号館美術館で開催中の「ヴァロットン展」内覧会に行ってまいりました。
フェリックス・ヴァロットン。日本ではまだあまり知られておらず、自分も以前に三菱一号館名品選で初めて知った画家でした。(名品選の記事はこちら
その時に観た版画のシリーズがとても面白く、ヴァロットン展の予告を聞いて楽しみにしていたのでした。またも内覧会でじっくり鑑賞させていただき、感謝しております。

まずはこちら。ポスターにも使われている目玉作品。(クリックで拡大)

「ボール」

簡素なタイトルとすっきりした画面。しかし解説していただいた通り、「どこか不安を感じさせる」作品です。
それは、この構図のせいかもしれません。前景の少女は俯瞰(鳥瞰)で、後景の人物と背景は水平方向から描かれています。有名なセザンヌのオレンジのように、異なる視点が一つの画布に収まることで、「バランスの崩れた調和」が脳内に違和感を覚えさせるのかもしれません。
ちなみに解説時には出てきませんでしたが、自分はこの絵を見て、デ・キリコの「街角の神秘と憂鬱」(通りの神秘と憂愁などとも)を思い出しました。


ジョルジョ・デ・キリコ「街角の神秘と憂鬱」
(作品の著作権が切れていないため、画像はAmazonより画集の表紙を使用させていただいております)

ただし、制作年は「ボール」の方が15年も早いので、もしかしたらデ・キリコが影響を受けているのかもしれませんね。シュルレアリスムに多大な影響を与えたデ・キリコも好きなので、だからこそそれに似た雰囲気を感じるヴァロットンにも惹かれたのかもしれません。

作品が小さくてこちらには載せられませんが、版画は陰鬱なテーマを扱っていても、どこかコミカルに見えてしまいます。
絵柄が可愛らしくて漫画(イラスト)っぽい感じがするせいでしょうか。
デューラーのような精緻な版画も好きですが、こういう味のある作品もかなり好きです。

「竜を退治するペルセウス」(画像左・クリックで拡大)

大不評を買った問題作。
突っ込みどころ満載すぎて、逆に突っ込んだら負けのような気がします。
勇者ペルセウス……? 美女アンドロメダ……? 獰猛なドラゴン……?
ことごとく従来の常識から外してくるのが凄いです。当時としてはかなり斬新だったでしょうね。



「立ち上がるアンドロメダとペルセウス」(画像左・クリックで拡大)

なお、こちらも同じモチーフを扱っておりますが、上とはえらく違います。
その分、インパクトは弱くなっていますが(苦笑)


これだけたくさんのヴァロットン作品が集まることは、なかなかないでしょうね。
その独自の世界を堪能しに、是非一度美術館に足を運んでみてください。

ヴァロットン展 冷たい炎の画家
三菱一号館美術館 公式サイト
2014年6月14日~9月23日

※掲載写真は主催者の許可を得て特別に撮影させていただいたものです。
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