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DATE: 2008/07/13(日)   CATEGORY: ロマン主義
飛翔する魔女たち

フランシスコ・デ・ゴヤ「魔女たちの飛翔」
大きい画像はこちら

ゴヤは18~19世紀、近代絵画の先駆けとなったスペインの画家。
主席宮廷画家となるなど、華やかな経歴も持っていましたが、1794年に大病を患い、すべての聴覚を失ってしまいます。
しかし制作意欲は衰えるどころかいっそう増し、またそれまで中心であった肖像画とはまったく異なる、奇想的な作品を次々に生み出していったのです。

今回ご紹介する「魔女たちの飛翔」は、1797-1798年頃制作とされているので、音のない世界で生み出された作品となります。

実はこの絵、2006年のプラド美術館展にも来ておりました。その時の目玉はティツィアーノやベラスケス。自分自身もムリーリョやスルバランなどの明るい作品にばかり目が向いていたので、実物を前にしてもあまり深く考えることなく眺めていたのでした・・・。まあ、明るく華々しい作品群の中で、異色であるという印象は強かったのですけどね。

この作品の下方では、二人の男が魔女たちから逃れるように、一人は布をかぶり、一人は耳を覆って倒れ込んでいます。
しかしそれとは対照的に、空中に浮かぶ魔女たちに抱えられた男は、その身を完全に預けています。
何やらとても暗喩の込められているように見えるこの作品。
魔女たちはおどろおどろしい生き物としてではなく、「知恵」の象徴として考えられているようです。一見すると、魔女たちが男の血を吸っているように思えますが、頬の膨らみ具合から、「若者の肉体に知恵を吹き込んでいる」ところであるのだとか。

光と闇のコントラストによるドラマティックな描き方は、バロック絵画を髣髴させます。


さて、ゴヤの作品には上記のような「浮遊する」イメージの絵が多いのですが、その中でも気になるのが次の作品。



フランシスコ・デ・ゴヤ「藁人形遊び」

これは「カルトン」の一つ。カルトンとは、タピストリー製作用の原寸大の下絵のことです。駆け出しの頃、都に出てきたゴヤは、しばらくこのカルトン作りを続けていたのでした。

この「藁人形遊び」、何とも不思議な情景です。
「灰の水曜日」(四旬節の初日。復活祭の46日前)に行われる行事だというのですが・・・異様な雰囲気に思えてしまいます。どことなくシュール。
いまだにこの慣習があるのかどうかも、気になるところです。


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DATE: 2008/07/06(日)   CATEGORY: 美術展レビュー
静物画の秘密展
2008年7月2日~9月15日、国立新美術館において「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」が開かれております。
このたび当ブログに対し、こちらの展覧会のプレスプレビュー(内覧会)のお誘いを受けまして、管理人の代理としてちゅん吉さんに突撃レポートしていただくことになりました。

それでは以下、レポート記事になります。どうぞ。



『ウイーン美術史美術館 静物画の秘密展』
7月1日 火曜 13;30~14;45 プレスレビュー


7月1日、国立新美術館において『静物画の秘密展』のプレスレビューがあるとのことで、天球美術館管理人の千巻さんの代理として行ってまいりました。
当日は本当は休館日ということで、ちょっぴりガード固し。門にてお誘いのメールを印刷したものを見せて入館しました。

▲国立新美術館

この日は初日ですので、ゲストにウイーン美術史美術館の館長 ヴィルフリート・ザイペル氏、展覧会監修者の同館 副館長 カール・シュッツ氏と共立女子大学教授 木島俊介氏がいらしてて、ご挨拶を賜りました。 


なんでもウイーン美術史美術館の来館者の14%は日本人だとか。これにはちょっと驚きました。日本人、スゴイです・・・

今回は静物画というジャンルに絞った展覧会ということで、まず静物画とは何か?というお話をカール・シュッツ氏が語ってくださいました。

静物画というジャンル自体の成立はかなり遅く、17世紀にようやく定義が明確にされたようです。
静物画は英語では「still-life 」(独語;Stillleben 、蘭語;stilleben)と言い、、「静かにとどまっている、生きているもの、生き生きとした本物に見えるもの」、といった意味合いであります。
面白いのは、これにたいして、ラテン系の国々では同じジャンルの静物画に対し、仏語で「nature morte」、伊語で「natura morta」つまり「死せる自然」と真逆の言葉で表現していることです。

切り取られた自然の一部~それはすでに死んでいる~を、生き生きと描く絵と解釈しました。

どうもこの静物画、基本はvanitasの精神のようです。
まあ、私の勝手な解釈なのですが、キリスト教における空しさ、虚ろさを表しているようで。

これはたぶん、すべての現世の美しさ、楽しさ、栄華、権力は神の御前には無意味であり、称えられるべきはキリストの栄光である、という宗教観から来るvanitasではないか、って思います。


さて、展覧会は四つの章に分かれており、それぞれの章の代表的絵画をカール・シュッツ氏が解説してくださいました。
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