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DATE: 2007/11/23(金)   CATEGORY: ルネサンス
眠れるヴィーナス

ジョルジョーネ「眠れるヴィーナス」
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ジョルジョーネ、ヴェネツィア派の大家にして、かつてはその存在さえ疑われた謎多き画家。本名はジョルジュ。早世した後、偉大なるという意味の「オーネ」を付して「ジョルジョーネ」と呼ばれるようになりました。

活躍したのはわずか十年ばかり。三十代前半で、ペストによりこの世を去りました。
本人の存在だけでなく、多様な解釈を生む謎めいた作品を遺して。


この「眠れるヴィーナス」は、美術史上の大きな転換点ともいえる作品です。
「横たわる裸婦」の図は、今ではまったく珍しくもないモチーフです。実際にはジョルジョーネよりも前の時代から存在してはいたのですが、その裸婦だけを切り取って堂々と中央に据えるという試みはジョルジョーネが最初でした。

しかし、ジョルジョーネのヴィーナスはまだ「女神」らしい神秘性をどこかに残していますが、ティツィアーノの作品になると、「女神」よりも「裸婦」の意味合いが強くなっています。



ティツィアーノ・ヴェチェリオ「ウルビーノのヴィーナス」
ジョルジョーネの画布上では眠っていたヴィーナスが、ここでは完全に覚醒して鑑賞者を堂々と見つめ返しています。

ティツィアーノは、ジョルジョーネの弟子でした。(兄弟弟子という説もあります)
才気あふれるこの弟子を、ジョルジョーネはたいそう可愛がり、熱心に指導していたといいます。
しかしある時、依頼された壁画を二人で分担して描いた時、弟子の作品がジョルジョーネ作と思い込んだ人々により絶賛されたのをきっかけに、両者の仲は断絶したとも伝えられています。

その二年後、ジョルジョーネはペストによりこの世を去ります。
しかし、師を敬愛していたティツィアーノは、未完のまま残された作品の多くに筆を加え、完成させたのでした。
「眠れるヴィーナス」も、人物はジョルジョーネ、背景はティツィアーノの筆によるものという解釈がなされています。完全にジョルジョーネ一人の作と見られているのはわずかに二点、そのうちの一つは別離の契機となった、あの壁画でした。(しかし壁画は後に消失)

ティツィアーノはめきめき頭角を現し、ヴェネツィア派最大の巨匠にまで上りつめます。しかも師とは逆に大変長命でした。
しかし、九十近くまで生きた彼の最期は孤独でした。くしくも、師と同じペストに罹り、感染を恐れた使用人たちが逃げ散った後の広い屋敷に、老いた巨匠は一人取り残されました。

ヴェネツィア派――その両巨頭たるジョルジョーネとティツィアーノ。
ヴェネツィアは彼ら師弟を育て、愛しみ、そして命果てた土地となりました。

ジョルジョーネ、享年三十二歳。
ティツィアーノ、享年八十八歳。


Web Gallery of Art

参考文献
「西洋美術館」(小学館)
「世界 名画の旅3 イタリア編」(朝日文庫)
「西洋絵画史 WHO'S WHO」(美術出版社)
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DATE: 2007/11/11(日)   CATEGORY: バロック
悲しみの聖母

カルロ・ドルチ「悲しみの聖母」
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国立西洋美術館所蔵のこの作品。
常設展を観る時は、いつもこの絵の前で立ち止まってしまいます。
日本で普段から観られる作品なので、ご覧になったことのある方も結構おられるのではないかと思います。

暗闇に浮かび上がる、聖母の青衣が見る者の目を惹きつけます。
この深みのある鮮やかな青は、ラピスラズリによるものです。
「悲しみの聖母」とは、わが子イエスの運命を思って悲嘆に暮れる聖母の図。
その深い悲しみが画布を通して伝わってきます。

この両手を合わせた聖母の構図は、ティツィアーノの影響を受けていると見られています。モデルは妻テレーザ・ブケレッリであるという説が有力。


ティツィアーノ・ヴェチェリオ「悲しみの聖母」


ホセ・デ・リベラ「悲しみの聖母」

こちらもよく似た構図の作品。


なお製作年は、
1555年 ティツィアーノ
1638年 リベラ
1655年 ドルチ
となっております。

Wikimedia Commons
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