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DATE: 2006/11/18(土)   CATEGORY: バロック
聖マタイの召命

カラヴァッジョ「聖マタイの召命」
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カラヴァッジョ、本名はミケランジェロ・メリージ。彼の作品を語るには、彼の生涯に触れないわけにはいきません。とはいえ、細かく語り始めればブログの一記事どころか一冊の本になってしまうでしょう。38年という短い人生は、暗くも激しいものでした。

すでに画家としての名声を打ち立てていたカラヴァッジョは34歳の時、テニスに似たスポーツで乱闘になり、ついに剣を抜いて殺人を犯してしまいます。
ローマの法で、殺人は死刑。
その後は逃亡の生活が始まります。聖ヨハネ騎士団の島、マルタにたどり着いた彼はそこで騎士に叙任されるものの、再び投獄され、脱獄します。そして逃亡しながらも絵を描き続け、後援者の貴族たちもローマ法王に働きかけ、いよいよ恩赦が近いという知らせが届きます。しかし途中、人違いでスペイン兵に捕まり、釈放後に高熱を出し、熱病でこの世を去ってしまいました。享年38歳。

さてこの「聖マタイの召命」ですが、これはカラヴァッジョが二十代で描き、一躍脚光を浴びた作品です。当時はまだ、この先訪れる暗い逃亡生活など想像もできていなかったでしょう。
逃亡中に描かれた絵にはやはり悲痛な色合いが表れていますが、若い頃に描かれたこの作品は、闇を照らす光から希望の色を見て取ることができます。

ちなみに聖マタイは十二使徒の一人で、「マタイによる福音書」の記述者とされています。(現在は別人であるという解釈がされているようですが、長年そう信じられていました)
元はローマの徴税人であったところ、イエスから「私に従いなさい」と言われて弟子になった人物です。そのため、画中では財布や金袋、または福音書記述者ということで書物やペンが描かれていることが多いです。(もしくは殉教した時の斧や槍だったり・・・)

この作品も、テーブルの上に金貨が描かれております。が、肝心のマタイは誰か。
これまでは自分の胸を指して「私ですか」と言っているように見える人物がマタイとされていました。が、現在ではうつむいている若い男がマタイであるというのが定説になっているそうです。「私ですか」ではなく、「この人ですか」と指しているようにも見えますしね。
ゆえに、マタイをどちらとして書かれているかによって、その本が古いかどうかも判定できるのです。ちなみに画像元のサイトでは、"Matthew brings his hand to his chest" と紹介されているので、昔の説を採用しているようです。

さらに、この作品のページでは、バッハの「マタイ受難曲」が聴けるようになっていて、なかなか心にくい演出もされております。
こちら
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DATE: 2006/11/12(日)   CATEGORY: バロック
絵画芸術の寓意

ヨハネス・フェルメール「絵画芸術の寓意」(画家のアトリエ)
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フェルメールの代表作とも言えるでしょう。完成した絵を手元に置かない画家が、亡くなる時にも所有していた作品です。死後も夫人が手放さずに残していたことから、相当に思い入れのあった作品なのだと思われます。

ここでは絵のモデルの女性と、彼女を描くフェルメール自身が描かれています。女性は月桂冠をかぶり、書物とラッパを持っています。これらのアトリビュート(画中人物が誰かを示す持ち物)から、歴史の女神クレイオーだと言われております。とはいえ、クレイオーは歴史を叙述する女神であるため、一方で「絵画」そのものの擬人像であるともされています。

壁には正確なネーデルラント17州の地図がかけられ、シャンデリアにはハプスブルク家の紋章を思わせる双頭の鷲がついています。
様々なアイテムが描き込まれ、机の上も雑然としているようなのに、全体を覆うのはどこか整然とした静謐さ。まさに見事な完成度と言えるでしょう。

また、前回のベラスケスも同じように「絵を描く自分自身」を描いておりましたが、あちらは顔を正面に向けているのに対し、こちらは完全に後姿を見せています。素顔を見せない画家の姿が、いっそう作品に神秘性をもたらしているようにも思えます。

画像元:Web Gallery of Art
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DATE: 2006/11/04(土)   CATEGORY: バロック
ラス・メニーナス

ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」
→大きい画像はこちら (画像元:Web Gallery of Art

ラス・メニーナス、その意味は「女官たち」。
この風変わりな構図の絵の中心人物は、王女マルガリータ。宮廷画家として彼が仕えたフェリペ四世の娘です。
彼女の周囲には侍女たち。そして左側には、ベラスケス自身が描かれています。

しかし、この絵の中でベラスケスが描いているのはマルガリータではありません。もしそうなら、後姿を描くことになってしまい、不自然です。
では誰かというと・・・奥の壁にその答えがあります。掛かっているのは鏡。そこに、国王夫妻が写っているのです。描かれている国王夫妻の位置から見た光景、ということになるでしょう。(なぜ鏡であるかというと、国王が右、王妃が左に描かれているからです。公式の場では男が左、女が右なので、これは鏡像であるとわかるのです)

ところで、「女官たち」というタイトルとこの絵を見た時、「左下の女官、顔がやたら大きくないか・・・?」と思ってしまったのですが(汗)、実はこの左下の二人は道化師なのです。よく見れば、犬を足蹴にしていますね・・・こんなの女官じゃないよ。

このベラスケスの胸元には赤い十字がありますが、実はこれ、彼の死後に加えられたものなのです。彼の死を惜しんだ国王が、サンチアゴ騎士団の十字章を与えたのでした。平民出身であったベラスケスにとって、貴族に名を連ねるのは非常に栄誉なことです。が、死後ではねえ・・・。美談ではあるけれど、やはり宮廷内からの反発もあって、生前に与えることは難しかったのだろうかと、つい勘繰ってしまいます。(汗)

ところで、ベラスケスの作品で名高い肖像画が、この王女マルガリータです。しかし彼女の絵は、ウィーンに3枚もあったりします。なぜかというと、これは見合い写真の代わりだったからです。2歳、5歳、8歳頃の絵がウィーンに送られ、15歳になって花嫁自身がやってまいりました。
そんな大事な絵を任されたのですから、ベラスケスに対する評価がどれだけ高かったかわかろうというものです。(しかしマルガリータは21歳で病死してしまうのだが・・・)
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