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パラス・アテナ
新年明けましておめでとうございます。
今年の幕開けは、正月らしく(?)黄金の作品をご紹介いたします。


グスタフ・クリムト「パラス・アテナ」
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クリムトと言えばまず思い浮かぶのが、この「金箔」。
当時の西洋美術では珍しく、ふんだんに金を使用したことで有名です。
クリムトが金を用いるようになった理由としては、次のような点が指摘されています。

・クリムトの父が彫金細工師だったこと
・ビザンチン美術の影響
・日本美術の影響

ビザンチン美術や日本美術の影響は確かにあるでしょうが、しかしその中でも一番大きかったのは生まれ育った環境なんだろうなあと思います。小さい頃から金細工を目の当たりにしていたからこそ、異文化の中で美しくきらめく黄金の魅力に対しても敏感だったのではないでしょうか。

そんなクリムトが最初に手掛けた金箔作品が、こちらの「パラス・アテナ」。

アテナ、すなわち知恵の女神アテネ(アテナイ)は、ゼウスの頭を斧で割ったら飛び出してきたという驚嘆の出生譚を持つ、猛々しい戦の女神でもあります。

胸元にある妙な顔は、見た者を石に変えるというゴルゴンの首。これは勇者ペルセウスに退治された後、その首を捧げられたアテネが盾に飾って持ち歩いているからです。なので、ゴルゴン付きの盾が描かれていたら、その絵はアテネだと判断することができます。

左肩には、知恵の象徴であり、アテネの使いであるフクロウ。
右手には、勝利の女神であるニケの像。

何とも不思議な構図に思えます。真正面から描かれているのに、シンメトリーでないせいでしょうか……。

なお、この作品は昨年に開催された「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」で来日しておりました。実物を観た感想としては、思ったほど派手ではないなーというものでした。
金箔の色も落ち着いているし、サイズもさほど大きくないので、むしろ地味な感じもしました。
とはいえ、女神の神々しさはしっかりと伝わってきたと思います。


CGFA
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ベアータ・ベアトリクス
以前にロセッティがらみの作品を続けて載せていたのですが、だいぶ間が空いてしまいました。
ひとまずこれにて一連のシリーズは終了となります。



ダンテ・ガブリエル・ロセッティ「ベアータ・ベアトリクス」

1864年から1870年の間に制作されたこの作品は、ロセッティの妻エリザベスのために描かれました。
1862年に死去した妻を追悼するために。

この絵のモチーフは「神曲」で有名な、かの詩人ダンテの初期作品「新生」から取られています。
そこに記されるベアトリーチェという女性は、ダンテの実らなかった初恋の人であり、そして24歳で夭逝してしまったために、彼にとって永遠の理想となったのです。なお、ベアトリーチェは大作「神曲」の中でも登場し、主人公ダンテを助ける重要な役割を担っています。

ロセッティは同じ「ダンテ」の名を持つ詩人を、自分になぞらえていたのではないでしょうか。
それゆえ、理想の女性ベアトリーチェに亡き妻エリザベスの面影を残そうとしていたのではないかと思われます。

画中に描かれる芥子の花は死の象徴。それをくわえて運ぶ鳥は、死の使者を表しています。

ベアトリーチェの死因は阿片チンキの飲み過ぎでしたが、その原因は冷えゆく夫婦関係にあったと言われています。そしてロセッティは、妻を失ったことから薬や酒に溺れ、最後はエリザベスと同じ薬を大量にあおって自らの生涯を閉じました。享年54歳。
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クラーク・サンダース


エリザベス・シダル「クラーク・サンダース」

エリザベス・シダルはラファエル前派の画家たちのために、幾度もモデルを務めました。
特に、ミレイの「オフィーリア」は有名です。

彼らラファエル前派の画家たちにとって、彼女はインスピレーションを与える「スタナー」(絶世の美女)となったのでした。
そんな彼女と恋に落ちたのが、ラファエル前派の創設者の一人、ロセッティでした。彼はエリザベスを自邸に住まわせ、自ら詩や絵の手ほどきをしました。

当時、エリザベスの作品はなかなか評判も良かったようで、最近になってからも再評価されてきています。

この作品は、「アイヴァンホー」などで有名なウォルター・スコットが編集したバラッド集を元に描かれています。
クラーク・サンダースは恋人マーガレットの兄弟に殺されてしまい、幽霊となって彼女の元を訪れているのです。

仲睦まじい恋人時代に描いた作品にしては、主題も雰囲気もずいぶん暗いようにも感じられます。後のエリザベスの人生を思うと、すでに前兆が表れているような気もしてきます。
結婚後の彼女の生活は、失意と絶望へと突き進むことになったのです。
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聖母マリアの少女時代

ダンテ・ガブリエル・ロセッティ「聖母マリアの少女時代」
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1849年、ロンドンのハイド・パーク・コーナーの無料展に、この作品が初めて公開されました。
絵のモデルは、母親と妹であったといいます。写実的な表現は、どこか古めかしく、ルネサンス時代の雰囲気を思い起こさせます。

また、画中にはたくさんの「お約束」が、これでもかと描き込まれています。

茨は、迫害されたキリストがかぶせられた冠。
棕櫚(しゅろ)は、殉教した聖人のシンボル。
さらには十字架と赤い布。
これらはすべて、キリストの受難を表します。

窓の外の鳩。これは三位一体の「父と子と聖霊」の聖霊を示します。

さらには百合。これが、この作品で最も重要なアイテムになります。
百合は純潔のしるし。多くの「受胎告知」でも、マリアが処女懐胎をしたという意味を持たせるため、画中に百合を描いています。

この作品では、少女時代のマリアを表すために描かれています。手にしているのは、恐らく大天使ガブリエルでしょう。くしくも、ロセッティ自身と同じ名の。


なお、この作品には密かに「P.R.B」という文字が書き込まれていました。
これは、当時はまだその意味を明かしていなかった、「ラファエル前派」の頭文字だったのです。その後、ロセッティたちは美術界を改めようと新風を巻き起こすのです。


CGFA
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プロセルピナ


ダンテ・ガブリエル・ロセッティ「プロセルピナ」

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どこか物憂げに、不安な表情を浮かべながら、キャンバスの中から鑑賞者を振り返るプロセルピナ。その手にした赤い果実は、柘榴。
ギリシア・ローマ神話をモチーフにした、ラファエル前派ロセッティの代表作の一枚です。

冥界の王プルート(ギリシア神話のハデス)は、美しき娘プロセルピナに目をつけ、地底へ連れ去ってしまいました。プロセルピナは、ギリシア神話では「ペルセポネ」と呼ばれています。
彼女の母(豊穣の神、ローマではケレス。ギリシアではデメテル)は嘆き悲しみ、手を尽くしてようやく探し出しましたが、彼女を連れ戻すことはできませんでした。というのも、彼女がすでに冥界の食べ物を口にしていたため、地上に戻ることができなかったのです。
キャンバスに描かれた柘榴は、彼女が食したという説に基づいています。言ってみれば、禁断の果実。

なお、口にしたのが柘榴の半分だったことから、彼女は1年の半分を冥界で、残りの半分を地上で暮らすことになりました。
娘と離れている間は、母である豊穣の女神が実りをもたらさなくなったため、地上に「季節」が生まれたと言われています。(春夏はプロセルピナが地上にいる期間、秋冬は冥界にいる期間)


ちなみに、 このプロセルピナの伝説は、ロセッティの私生活を暗示しているようにも見えます。
彼は、妻エリザベスと婚約中の頃から、このモデルの女性ジェーンと惹かれ合っていたと言います。しかも、そのジェーンは後に(ラファエル前派の)仲間であるウィリアム・モリスの妻となるのです。何とも見事な四角関係。
画中のジェーンが口にする禁断の果実は、何を示しているのでしょうか――

そして、ロセッティ夫妻の人生は彼女の出現により大きく変わることになり、ジェーン・モリスは「ファム・ファタール」(運命の女)と呼ばれるようになるのです。

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箱舟に帰った鳩

ジョン・エヴァレット・ミレイ「箱舟に帰った鳩」
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ノアが家族や動物とともに箱舟に乗り込むと、地上には40日間雨が降り続き、大水は150日間引きませんでした。
40日後、ノアは鴉を放ちましたが、洪水の起こった大地には止まるところがなく帰ってきました。次に鳩を放ちましたが、また同じように戻ってきました。
7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきました。さらに7日後、再び鳩を放すと、鳩はもう戻ってきませんでした。地上の水は完全に引いていたのです。

上記は旧約聖書「創世記」に記された「ノアの箱舟」の内容です。
そしてミレイの作品は、二度目に放った鳩がオリーブの葉をくわえて戻ってきたところが描かれています。
地上に訪れた平和を携えた鳩を、愛しむように抱きしめる二人の少女。その表情には歓喜と安堵が表れています。

オリーブの葉を船にもたらした鳩は、吉報と平和の象徴となり、現在でもタバコのマークなどに使われています。


ミレイはイギリスのヴィクトリア時代に活躍した、ラファエル前派の画家です。
ラファエル前派は、アカデミズムの規範となったラファエロより前の時代に立ち返ろう、と結成されました。ミレイは創始者の一人。
そして "Pre-Raphaelite Brotherhood" の頭文字、P.R.B.をこっそりと絵の中に忍ばせたりもしていました。発表された当時は、まだこの文字の意味は公表されていませんでした。
当初は仲良しの友達同士で始めた同人活動のようなものでしたが、やがて彼らは芸術性の違いや三角関係(ミレイは仲間の妻を奪った)などにより、ついにバラバラになってしまうのです。
しかしながら彼らの起こした芸術運動は、フランス印象主義とほぼ同時期に発展した、正反対の象徴主義の先駆けとなったのでした。

Mark Harden's Artchive
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静寂の道

フランティシエク・クプカ「静寂の道」
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オンライン上でこの画家の作品を知り、一目で気に入りました。
そしてただちに画集を探し、古本でクプカ展の図録を手に入れることができました。
こちらは1994年に開催された展覧会の作品の一つです。

満天の星の下、整然と並ぶスフィンクス像。像の陰に隠れた道はどこまで続くのでしょうか。神秘性と寓意性を多分に含むこの作品は、クプカの初期作品にあたります。初めは象徴主義的な作品が多く、中期以降から抽象絵画を発表するようになるのです。
しかし、自分が惹かれるのはやはり象徴主義的な作品群のほうですね。他にも紹介したい作品は多くありますが、スキャナの性能がイマイチで、これが精一杯でした。(汗)
濃い色調の作品は、全体的に黒っぽくなってしまうのです。これも本当はもうちょっと明るくて青みを帯びているんですけどね・・・。

さて、次は同じテーマの別作品。

静かな夜道にたたずむ旅人の姿が印象的です。最初にクプカを知ったのは、この作品でした。
ふと静寂の中に身を置きたくなる時、こんな情景に心惹かれるのかもしれません。


Fin de Siecle
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