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DATE: 2011/05/01(日)   CATEGORY: バロック
地理学者

ヨハネス・フェルメール「地理学者」

開催中の「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」に行ってまいりました。
全体的なレビューを上げたいところなのですが、なかなか余裕がないため、忘れないうちに一番の目玉である「地理学者」を載せることにしました。


日本での人気が高まるとともに、近年はフェルメール来日ラッシュが続いているような気がします。
フェルメール展では一気に6点(でしたっけ)も来ていたし、他にも「レースを編む女」や「牛乳を注ぐ女」も来ていましたよね。
予定では「真珠の耳飾の少女」も来ることにはなっていますが……震災の影響もあり、どうか白紙にだけはならないでほしいと切に願っています。


さて「地理学者」。これは「天文学者」と対になった作品で、恐らくモデルも同一人物。
しかし描き方はだいぶ違うように思います。天文学者の方が色調も暗く、重厚な印象がある一方、地理学者の方が光量も多く、鮮やかで軽い感じがします。
とはいえ実物を観たことがないので……できることなら並べて鑑賞してみたかったと思います。(まず無理ですが)



「地理学者」は近年の調査によると、赤外線照射によりもともとは下を向いたポーズだったことが判明したそうです。
しかしそれでは研究に没頭している姿だけで、鑑賞者がハッと目を引くような雰囲気は出ないだろうと思います。
地図を広げ、研究中の学者がふと光の差す窓辺に目を向ける。
何事もない風景の中から、その「一瞬」を切り取るフェルメールはまさに名カメラマンだなと思わざるを得ません。
卓越した画家というのは、技巧だけでなく構成力もずば抜けているということを改めて実感させられました。

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DATE: 2009/02/04(水)   CATEGORY: バロック
レースを編む女

ヨハネス・フェルメール「レースを編む女」

またしても更新の間が空いてしまいました。(汗)
今回は、フェルメールの「レースを編む女」。2月より開始するルーヴル展の目玉作品です。なので、一足早くこちらで紹介してみます。

熱心にレースを編む女性の姿が、映画のワンシーンを切り取ったかのように描かれています。そこにあるのは、レース糸のこすれるかすかな音さえも聞こえてきそうな、静謐さ。
緊張感を与えつつも、相変わらずの柔らかな光の表現によって、温かみすら感じます。

当時のオランダでは、レースを編む女性の勤勉さは「家庭の美徳」という意味を持っていたそうです。
隣の机に置かれた本も、聖書らしいと思われているそうですが・・・

しかしこの絵で真っ先に目を引くのは、そうした教訓めいた要素ではなく、女性が一心に見つめ、軽やかに動いているであろう華奢な指先だけなのです。


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DATE: 2009/01/01(木)   CATEGORY: バロック
エウロペの誘拐

レンブラント・ファン・レイン「エウロペの誘拐」
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皆様、明けましておめでとうございます。
新年第1回目の更新は、レンブラントとなりました。
・・・というか、単に「牛」だからなのですが。(苦笑)

牛と言えば牡牛座の元になったエウロペの伝説。
というわけで今回選択しました。


エウロペは地中海の東に暮らす美しき王女。
彼女を一目見て惚れ込んだゼウスは、怪しまれずに近づくために一計を案じます。
それが常套手段の「変身」。
白い牡牛の姿に変じたゼウスは、侍女と海岸で戯れていたエウロペの前に現れます。牡牛のおとなしい様子にすっかり安心したエウロペは、ついにその背に乗ってしまいます。
それが彼女の運の尽き。ゼウス牛は彼女を乗せたまま、猛スピードで海を渡り、クレタ島までやってきます。そこで彼女を手に入れたゼウスは三人の子をもうけました。
そしてエウロペは、後にその地でクレタ王妃となるのです・・・。

この時の牛の姿が天上に瞬く牡牛座となり、エウロペの名は欧州の大陸の名として残ることになったのです。

さて、このレンブラントの作品。左側の鬱蒼と茂った森は人間の住む地上世界、右側の光差す海は神々の暮らす天上世界を表しているのだそうです。
光と影の対比はいかにもレンブラントらしいです。


・・・新年から略奪話で良かったんでしょうか。(汗)
それはともかく(苦笑)、本年も当ブログをよろしくお願い致します。


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DATE: 2008/06/21(土)   CATEGORY: バロック
聖女アグネス

ホセ・デ・リベラ「聖女アグネス」
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アグネスはコンスタンティヌス帝の時代、ローマに生まれた貴族の娘。
当時13歳にして、あまりの美貌ゆえに高級官僚の息子が目をつけ、嫁にしたいと言い出しました。
しかし敬虔なキリスト教徒である彼女が拒んだため、その息子は父親の権力を使って彼女を捕らえます。そして全裸にさせて市中を引き廻させるという蛮行に。
しかし、そこで奇蹟が!
何と、彼女の髪の毛がするすると伸びてきて、全身を覆ってしまったのです。

上の絵は、長い髪に覆われたアグネスの図。背景は真っ暗ですが、恐らく牢の中ではないでしょうか。

アグネスはその後、火あぶりにされるものの、火傷一つ負いませんでした。最後は斬首の刑に処されてしまうのですが・・・。

彼女の生きた時代は、まさにキリスト教迫害の最末期。
彼らの受難の日々の終止符を打つ、こんな伝承も残されています。

コンスタンティヌス帝の娘コンスタンティアは重い病(癩病)にかかっており、その快癒をローマの神々に祈っていたものの、いっこうに治る気配がありませんでした。そうして、ついに向かったのが、聖女アグネスの墓。
そこで彼女が祈りを捧げると、夢の中にアグネスが現れました。そして目が覚めた時、コンスタンティアの病は完全に治っていたのです。
その後、彼女は父の反対を押し切ってキリスト教に改宗し、一生を信仰に捧げたのでした・・・。

伝承の真偽のほどは謎のまま。
ただ残っているのは、コンスタンティヌス帝の発した信教の自由の勅令――いわゆる「ミラノ勅令」のみ。
これにより、彼はローマ帝国史上初のキリスト教皇帝となるのです。


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DATE: 2008/03/09(日)   CATEGORY: バロック
蝶を描くゼウス

ドッソ・ドッシ「蝶を描くゼウス」
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ギリシア神話を描いたバロック絵画、というリクエストをいただきましたので、今回選ばせていただいたのが、この作品。
何とも解釈の難しい作品です。
ドッソ・ドッシという人は、どうも謎な絵を描くのが好きなようです。(→前掲「魔女キルケ」参照)

絵筆を持って画布に蝶を描いているのはゼウス。その隣で、唇に指を押し当てながら振り返るのは、ヘルメス。(翼のついた帽子とサンダルがヘルメスのアトリビュート)
しかしこの情景は、ギリシア神話の中にはありません。ゼウスが絵を描くなどというのも、画家のオリジナルでしょう。
当時、決して高い身分ではなかった画家を主神ゼウスに投影させることで、絵画芸術を高めたいという思いが込められていたのでしょうか。
また、ゼウスが描いている蝶も、ギリシア神話の中では魂の象徴であることもまた何か意味がありそうです。

後ろから、ゼウスに何か訴えようとしている女性についても、謎のままです。その地位の低さを嘆く「絵画芸術」そのものの象徴とも考えられているようです。絵画を女性になぞらえるのは、フェルメールの「絵画芸術の寓意」を髣髴させます。

背景に描かれるのは、天翔ける虹。
それは、雷を司る神ゼウスによって魂を吹き込まれた絵画芸術に託された、未来への希望の光なのではないでしょうか。


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DATE: 2008/02/10(日)   CATEGORY: バロック
改悛するマグダラのマリア
ペドロ・デ・メーナ「改悛するマグダラのマリア」
全体像
→大きい画像はこちら

メーナはバロック期、スペインの彫刻家。
17世紀のスペインでは、木彫の聖人像が多く作られました。こちらもその一つ。

このマグダラのマリアは、筵をまとった粗末な身なりです。木彫りなだけに、いっそうその雰囲気が伝わってきますね。大理石なんかだと、どうしても派手な印象がありますから。(笑)
この彫像は等身大ということなので、実際には結構な大きさだと思います。

手にしているのは、磔刑キリスト人形つきの十字架。この角度だとよくわかりませんが、間違いないかと。

マグダラのマリアは、キリスト教の宗教画では聖母に次ぐ大人気のヒロインなので、数多くの作品が生まれました。
しかし、こうした華奢な体つきで粗末な身なりの方が、イメージにはかなり近いのではないかと思います。



ティツィアーノ・ヴェチェリオ「改悛するマグダラのマリア」
同じテーマでありながら、この違い・・・。
というか、ふくよかすぎませんか巨匠。(汗)
女性の美しさ(官能美)を前面に押し出したい大先生は、彼女が貧しい娼婦だという事実には目をつぶることにした模様です。



ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「灯火の前のマグダラのマリア」
マグダラのマリアというと、ラ・トゥールのこの連作のイメージが強いです。ゆえに金髪や巻き毛のマリアがどうも違う人物に見えて困ります。(苦笑)


Museo Naxional del Prado
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DATE: 2008/01/26(土)   CATEGORY: バロック
聖女チェチリアの殉教

ステファノ・マデルノ「聖女チェチリアの殉教」
大きい画像はこちら

久々に彫刻作品の紹介です。今回は、マデルノの「聖女チェチリアの殉教」です。
1599年、サンタ・チェチリア・イン・トラステヴェレ聖堂を修復する際、ここに移葬されていたチェチリアの遺体が、以前と全く同じ状態で発見されました。
この「奇跡」を記念して、遺体と同じ大きさ・姿で制作されたのが、このマデルノの彫刻なのです。
首の傷跡も、そのまま写されています。見るからに痛ましく、同時に見る者を惹きつける力を持っています。


チェチリアは、ローマ貴族の娘でした。
しかしキリスト教に帰依していたため、結婚式(自分の意思ではない)の当日も、奏でられる音楽の中でひたすら「私の純潔を守ってください」と祈り続けました。
その祈りが通じたのか、チェチリアの前に天使が現れ、彼女には白百合の冠、夫にはバラの冠を授けました。夫も妻の勧めにより、キリスト教徒になっていたのです。
でもそんな幸せも続かず、彼らはやがて棄教を拒んだことにより、斬首刑に処されます。チェチリアの首の傷がまさにそれ。しかし、チェチリアの首は切り落とすことができず、処刑の時に3回以上剣を振るってはいけないというローマの法により、そのまま釈放されました。彼女は3日間生き続け、その間に自分の財産をすべて貧しい人々に分け与えると、息を引き取りました。

結婚式の際に奏でられた音楽が、彼女のシンボル。音楽家の守護聖人でもあります。
というわけで、楽器を持っている聖女はまずチェチリアと見て間違いありません。天使がそばにいることも多いです。なので、今回ご紹介した作品は、むしろ珍しいパターンですね。(笑)
というわけで、いくつか王道的な作品を上げてみます。



オラツィオ・ジェンティレスキ「聖女チェチリアと天使」
以前に「受胎告知」でご紹介した画家。相変わらず、ドラマのワンシーンを切り取ったかのような描写は見事。
このチェチリアは、娘のアルテミジアをモデルにしたと言われています。



グイド・レーニ「聖女チェチリア」
ベアトリーチェと同じく、ターバンを巻いているのは殉教の意味を表しているのでしょうか・・・。



ラファエロ・サンツィオ「聖女チェチリア」
多分、チェチリアの絵画で最も有名な作品ではないでしょうか。
左からパウロ、ヨハネ、チェチリア、アウグスティヌス、マグダラのマリア。何とも見事な聖人集団です。それにしても、足元の楽器が気になります・・・。何となく、打ち捨てられているように見えるのは自分だけでしょうか;;



ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「聖女チェチリア」
何しろ画家の時代が違うので、趣も突然変わりました。(笑)
古代ローマっぽくはありませんが、これもチェチリアです。


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